トランプ政権の外国為替への影響
トランプ政権がFXに与える影響とは?
FXファンコラム第四弾、…前回の続きですね。
アメリカ大統領選はドナルド・トランプ氏に決まりました。(コラム執筆時には就任されていないので大統領とは付けません)
今回も内容的に硬い話になりますがご容赦を(^^ゞ
※2016/11/17投稿 執筆時の内容です。実は不誠実な選挙人や再集計でクリントン氏になる可能性はゼロではないです。
トランプ氏が当選した理由とは?
(1)それぞれの支持者
前回のコラムの内容と重なりますが、大統領選の結果からどのような人がそれぞれの候補を支持していたか見てみましょう。
まず性別ですがクリントン氏は女性の支持者が多く、トランプ氏は男性の支持者が多い。
年齢はクリントン氏は若年者の支持者が多く、トランプ氏は高年層の支持者が多い。
人種はトランプ氏を支持していたのは白人層。他の人種、特に黒人層は圧倒的にクリントン氏でした。
ちなみにキリスト教支持者はトランプ氏、他の宗教や無宗教はクリントン支持。
地域では東西の州がクリントン氏、中央はトランプ氏という形になりました。
この事から様々な要因はあるものの、一番大きな部分は移民問題だったのではないでしょうか。
(2)僅差を決定付けた私用メール問題
ご存知の通り選挙はほぼ終始クリントン氏が優勢で進みました。
クリントン氏も選挙後に伝えたように、アメリカ連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー長官が選挙の直前に再調査した事が最終的な勝敗の要因になったと思われます。
もちろん私用メールの問題は、大問題ではあるのですが、タイミングが酷かったと言えるでしょう。
世界中の移民問題
(1)ヨーロッパだけではない移民問題
イギリスのEU離脱問題の時にも書きましたがシリアからの移民問題でヨーロッパの経済が荒れています。
現在ドイツでも第二のベルリンの壁と言われる難民との間の壁が問題になっていますが、同様にアメリカはメキシコからの難民問題を抱えています。
2016年の8月で3万7048人、9月は3万9501人、10月はなんと4万6195人。
これは国境線付近で拘束された人数です。つまり氷山の一角でしかありません。
(2)移民の良いところ悪いところ
しかし、移民と言っても人口の増加は基本的に経済の発展に繋がります。
元々アメリカは移民に寛容で、移民を受け入れてきたからこそ経済が発達してきた国でもあります。
しかし、元々住んでいる人からすると、限られた仕事を奪われる事になります。
トランプ氏はこの問題点について繰り返し発言を繰り返したことで、特に仕事を奪われることになったアメリカの中の田舎である各州の支持を集めることに成功したと言えます。
(3)不法移民防止は難しい
13日のインタビューでトランプ氏は改めて国境の壁を作るという発言を行いました。
ただ、アメリカとメキシコ間の国境の壁は、距離が3141kmもある上、莫大な資金が掛かる為容易ではないでしょう。(以前からフェンスの建設案自体はあります)
しかも、近年でも密輸用トンネルが掘られている為、深さも必要なのではないでしょうか…。
更にカナダもアメリカからの移民問題を抱えています。トランプ氏が大統領になるなら海外にと考える人がまず目指す先ですしね。実は審査基準が厳しくなっているらしいです。
関税問題
(1)関税による日本への影響
アメリカ国内での問題は移民ですが、FXだと関税や安保理の問題の方の影響も注視しないといけません。
前回のコラムで書いたように、アメリカは輸入額も輸出額も非常に大きい為、関税が掛かるとその影響も計り知れません。
貿易相手としては、カナダ、中国、日本、ドイツの影響がかなり大きいです。
当然日本からアメリカに輸出する品の関税がアップするだけでも大きな問題なのですが、中国からアメリカに輸出される品も関税が掛かることにより中国の経済が打撃を受ける。結果的に日本の経済も打撃を受ける事になります。
仮に以前から言われている40%近い関税が掛かった場合は日本車の値段がほぼ1.5倍になってしまう為影響は計り知れません。
(2)間接的な日本への影響
トランプ氏の発言では中国製品に対しても最大45%の関税を掛けるという事でした。
最近、中国経済の減速が指摘されていますが、中国にとってもアメリカは最大の貿易相手国であり、ここまで関税が大きく掛かると経済が急減速。
更には、ぎりぎりで踏みとどまっていた、中国経済のバブル崩壊が訪れる可能性は高いでしょう。
世界的な経済の減速は避けられなく、隣国である日本への影響はとても大きいです。
また、サムスンの発火問題や、現代自動車の売り上げ減少など、韓国経済も崩壊寸前なので影響を受けるでしょう。
(3)TPP協定の批准
既にオバマ政権での任期中に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の議会承認を得るのは断念との報道が出ています。
農家や日本の産業を守る為には、参加しない方が良いのですが、経済の発展という観点からすると参加した方が良いと思われます。
以前から取り上げられているように、トランプ氏はTPPに反対という意見を打ち出しており、恐らく承認は難しくなったと言えるでしょう。
上記の関税とは全く逆の動きなので、これはほぼ確定と言えるかもしれません。
安保理問題
(1)一見関係ないけれど…
安保理問題は下手をすると中国や北朝鮮、ロシアも絡んで第三次世界大戦が起きかねないと思ってます。
1900年代後半から2010年まではまだ比較的各国の経済状況に問題が少なかったです。
ただ、これから先ほどの書き込みのように中国経済の問題、また韓国経済が弱くなると北朝鮮の影響も強くなるでしょう。
更に水面下では各国がネット戦争をしているようなものなので、これからの資源不足。特に食糧問題や温暖化が表面化してくるにつれて緊張感が増していく事になります。
(2)為替への影響は?
当然為替への影響も出てくる事になるので、安保理問題は自国の強化と言っている場合ではないと思います。
国産の飛行機開発に苦労している現状、造船業も統廃合が進みそうな状況ですしね。
今後のFXの流れ
(1)短期の為替への影響
短期的にはトランプ氏でもクリントン氏でもあまり変わりがなかったかもしれません。
アメリカの利上げ圧力が高まっているからです。
基本的にはアメリカの利上げ=円安へ流れます。
大統領に就任前に利上げされる可能性もありますが、円安の流れの方が強いでしょう。
(2)長期の為替への影響
長期的には、どのような政策を取っていくかによって変わってきます。
上記で示したように、相場に混乱を招く対策が多いので、市場はかなり荒れそうです。
日本市場も振り回されることになりかねないので、取引には十分注意しましょう。ただし、荒れるという事は短期の取引は比較的行いやすいとも言えるので上手く取引して行きたいところですね!
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